今日の日経一面の配列
今日の日経一面は、デンソーのローム買収提案撤回、全農の農業用資材の値上げ、普通預金の伸び率が2000年以降最低となった記事で半分を占めています。
編集部の着目点考察
デンソーのローム買収提案撤回はパワー半導体業界の再編、全農の農業用資材値上げはナフサ高に伴うもので、これら2つはエネルギーに関連する記事です。1つの枠内にこの2つの記事を並べたということは、中東情勢の混乱がついに資材価格に影響を及ぼし始めており、一方で電動化に欠かせないパワー半導体業界の動きも活発であり注目すべきというのが編集部のメッセージだと思います。
他方、普通預金の伸び率が低下しているという点については、インフレが社会感覚として一般的になりつつあり、投資が加速する可能性があるので留意せよというのももう一つのメッセージです。週明けのパワー半導体関連の銘柄の値動きにも注目したいと思います。
太陽光業界への接続
パワー半導体は太陽光業界でも心臓部的な素子ですが、肌感覚的に建設のピークは過ぎていると感じているので、再編等の影響が直ちに業界にインパクトを与えるかどうかは微妙と思います。一方で、BESS(蓄電池)の開発は旺盛であり、この建設にはダイレクトで影響してくると思いますので、この文脈で業界の動きを注視すべきだと思いました。
資材値上げの件は太陽光の保守管理の観点で直ちに影響を及ぼすところなので、むしろこちらを注視しています。例えばビニルシートや電材などは石油由来成分を多分に含んでいるので、資材価格上昇はOPEXに直結します。
普通預金伸び率低下→投資促進の可能性については、再エネのREIT価格に注目しておこうと思います。FITのPPAを前提としたポートフォリオで組んでいる場合、インフレによって売電収入の増加にはつながらないので、その点を市場がどのように判断するか着目したいです。
感想
目下注目すべきは石油供給不安に伴う補修用資材の価格上昇ですが、根本の原因は中東情勢不安です。太陽光業界にとってこれらの資材は売上原価ではなく、かつ石油が枯渇したから価格上昇しているというわけでもないため、致命的ではないと見ています。ただし、短期的にはOPEXがキックする可能性があるので、必要に応じて補修用資材の先行手配や在庫積み増しは考えていきたいと思います。
GPTの査読
本考察は、日経一面に並んだ複数の記事を、エネルギー価格・産業再編・家計資金の移動という大きな流れで接続し、さらに太陽光業界のOPEX、BESS、再エネREITへの影響まで展開している点が優れている。一方で、ナフサ高と中東情勢の関係は、原油価格・為替・化学品需給など複数要因を含むため、やや慎重に表現した方がよい。また、普通預金伸び率低下から投資促進を読む視点は面白いが、再エネREITについては金利上昇による利回り要求の上昇、FIT収入の固定性、OPEXインフレという逆風も併せて見ると、より立体的な分析になる。総じて、新聞一面の編集意図を自分の業界に接続する訓練として、非常に良い内容である。