先日映画を観に行った際に、細田守監督の最新作「未来のミライ」のフライヤー(チラチ)を頂いてきた。「時をかける少女」で細田守監督の作品と出会い、以来同氏の映画が公開されるたびに楽しみにしてきた身にとって、今回の「未来のミライ」公開日を心待ちにしている。フライヤーをワクワクしながら読んでいると、駅設備に関する面白い描写を見つけた。
「未来のミライ」物語のストーリー
物語の主人公であるくんちゃんが、自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ少女ミライちゃんと出会う。ミライちゃんとの時空を超えた冒険で、家族の愛の形を知り、成長していくというストーリだそう。詳細は映画の公式ページを参照されたい。
気になる駅設備の描写について
劇場で頂いてきたフライヤーの見開きが下の写真である。
この見開きの背景は、未来の駅を描写したものと思われる。どことなく空港を思わせる雰囲気が漂っていて、個人的には遠くへ旅行に出かけるワクワク感を感じたが、この描写の中央に注目したい。
ホームの番線と鮮明を示す看板をゲートサインという(参考:株式会社ジェイアール東日本建設設計事務所「コラム」)が、描写されているゲートサインをよく見ると、ゲートサインごとに言語が違うことがわかる。
2番線のゲートサインはアラビア語、3−4番線は中国語、5番線は日本語で案内が表示されている。
察するにこれらのゲートサインはLCDであり、時間が経過するごとに言語が切り替わる仕組みなのだ。
とても斬新なアイデアだと思った。ゲートサインをLCD化すれば、描写のように多言語表記によって外国人にもわかりやすい案内を提供することができるし、コンサート等の多客が予想される日には、そのイベント参加者向けの案内を表示させることもできる。地震や火災などの非常時には避難経路情報を表示させることで、迅速にお客さまを安全な場所まで誘導させることも可能だ。
駅の発車標(次にホームに入線する電車を案内する機器)や、駅・電車内の広告媒体としてLCDを採用する動きが活発である。LCDは従来のプラスチックや紙媒体と比べ表現の自由度が高いことから、伝えたい内容を複数の言語で表現したり、アニメーションを用いて表現することができる。外国人観光客にとってもわかりやすい案内ができることから、インバウンドを見据える上でキーアイテムであると思う。同様に駅構内にある様々な看板をLCD化することにより、より快適なサービスを提供できるかもしれない。
鉄道業界に入って、看板はプラスチック製であるという固定概念に囚われていたことを、このフライヤーをみて気付き、とても驚いた。