電験(電気主任技術者試験)とは
電験という資格を聞いたことがあるだろうか。電験は「電気主任技術者試験」という試験の略称である。電気主任技術者とは、発電所や変電所、受電設備などの電気設備を保安監督するために必要な資格のことである。三種から一種まであり、取り扱うことができる電圧の大きさによって、種類が分けられている。(一般財団法人電気技術者試験センター「電気主任技術者って何だろう?」)
電気にはエネルギー輸送と情報通信の面で優れているという特徴があるが、とりわけエネルギーの輸送手段として電気を利用する場合、高い電圧(6千〜数十万ボルト)の電気を扱うことが多いため、電気設備の保守を適切に実施しないと、利用者が死傷したり、建物を損壊させる恐れがある。これを防ぐために、電気設備の保守監督は電気主任技術者の資格を持ったものでなければできないよう、法律(電気事業法)によって制限されている。
電験と鉄道事業者の関係
電車は、電力会社や自前の発電所から送られる電気をそのまま利用することはできない。
電車の動力用の電気(「き電」という)としてどのような種類の、何ボルトの電圧の電気を用いるかは鉄道事業者の考え方によって異なるが、首都圏の在来線にはDC1,500V、郊外の在来線にはAC20,000V、新幹線にはAC25,000Vが用いられるのが一般的である(たわたわのぺーじ「電車の電化方式ってなに!?その2」)。
き電に直流を用いる場合、直流変成器と呼ばれる交流の電気を直流の電気に変換する電気設備を導入する必要があるが、この設備は電気事業法の対象設備であり、使用電圧に応じて電気主任技術者の選任が必要になる。(電気設備に関する技術基準を定める省令第3条(適用除外))
また、変電所から変電所に電気を送る電線のことを送電線というが、これも電気事業法の対象設備となり、同様に電気主任技術者の選任が必要な設備となる。
このように、鉄道事業を営む上で電気主任技術者は欠かせない存在であり、電気設備に異常をきたせば運転継続が困難になることから、極めて責任の重い立場であるとも言える。
なぜ電験2種を受けようと思ったか
過去の記事「鉄道が好き。人が好き」でも書かせていただいているが、僕は電気のもつ不思議な特性に興味を引かれ、電気電子を専門に勉強してきた。
知識を深めるたび、新しい発見と新たな疑問が生まれ、のめり込むばかりである。だが、そんな不思議な電気を応用することで、電気鉄道というシステムが成り立ち、社会に貢献できるという鉄道の魅力にもとても魅せられている。
僕の目標は、電気のプロとして常にその専門分野の第一人者であり続け、その知識を活かして鉄道利用者に常に安全、安心で快適なサービスを提供することができる、サービスのプロになることである。
勉強方法
電験2種は1次試験で4科目、2次試験で2科目の試験科目がある。勉強方法を考えるにあたっては、ビルメンであるケンタさんが運営していらっしゃる、「電験1種の棚卸し」というページが非常に参考になった。
勉強に当たって、参考書はオーム社から出版されている「電験2種徹底マスター」を使用することにした。
これも「電験1種の棚卸し」ブログの「電験2種に新たに登場した『徹底マスターシリーズ』を使える人たちが羨ましいと感じた話」を参考にした。
仕事柄、徹夜作業が入ることも多いため、職場に4冊も本を持っていくことは実現的でないので、1日1科目を集中して取り組むことにした。スケジュールファイルを下に貼る。参考になれば幸いである。